田中たかあきブログ

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あるトレーダーから聞いた金融市場の本質

あるトレーダーの人が、以前、このように言ってました。

 

「金融市場の本質の1つとして私が気づいていることは、トレードとは相対性そのものではないか、ということなんです」

 

彼は、金融市場の参加者を、2つのグループに分けて考えていました

賢明なる投資家と、一般投資家です。

 

「市場を4つに分けることもできますが、無意味に細分化すると本質からずれる気がします」

と彼は言いました。

 

「金融市場には、富を集積する圧倒的少数の賢明なる投資家と、その投資家に富を譲り渡している一般投資家がいると、私は考えています」

 

たまに勝つというような人は、全て一般投資家のグループに分類し、長い時間がたっても必然的に勝ち続ける投資家を、賢明なる投資家に分類して考えているという。

 

「そのうえで、賢明なる投資家と、一般投資家の心理を逆推するのです」

私「逆推ですか?」

 

「はい、例えば、賢明なる投資家は、今この時点でその取り引きが有利だと思うか(値ごろ感を感じているか)、ということが大切です。

値ごろ感を感じていないなら、賢明なる投資家はすぐに取り引きをしないで、待つ、という意思決定をするはずなんです」

 

私「なるほど」

 

「逆に、賢明なる投資家が値ごろ感を感じているならば、彼らは買ってきますよ」

 

私「じゃあ、一般投資家はどうなんですか?」

 

「一般投資家の場合は、今、下値に恐怖を感じているかどうかです。

もし下値に恐怖を感じていれば、さらに売り込まれます」

 

「不安を感じている程度なら、彼らは耐えます。でも、新たに買いは入りませんね」

 

例えば、高値圏で買いを入れた一般投資家は、下値に恐怖までは待たなくても、不安を感じるかもしれない。

上にいけば喜び、下にいくと不安を感じる。

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「一方、賢明なる投資家は、その一般投資家の不安を察知したり、うかがっているはずです」

「賢明なる投資家は、自分が不安になるのではなく、一般投資家の不安を察知するんです」

 

私「賢明なる投資家は、一般投資家の心理を読んでるんですね」

 

「そうです。

また、もし、一般投資家が、下落が続くのを見て、勇気をもって売ったならば、下落がクライマックスになって加速します。

そのなれば、一般投資家が出てきたときに、底が大底になって、売りが出たぶん上に上がって踏み上げにあい、上昇に転換できる、有利な位置になります。

賢明なる投資家は、そのように予測します」

 

私「そこまで考えてるんですか!」

 

「はい、私は、毎日自分がこのことを無意識のうちにやっていることに、最近気がついたんです」

 

彼は、賢明なる投資家と、一般投資家という2つのグループを常に分けて、両者の心理を推理しながら、金融市場を見ているようでした

 

このような、2つのグループの心理、という概念は、経済指標には表れないです。

ニュースにものりません。

 

例えば、日経の前日比の上昇率やニュースは、後追いで値動きを説明することが限界です。

 

しかし、金融市場は、常にニュースの説明に先行しています

この世界では、報道を見て意思決定をしたときには、もう遅い、という事実があります。

 

例えば、今回の大統領選で、トランプが優勢という報道をリアルで見ながら取り引きしても、既に大底をつけていました。

値動きは、ニュースや報道よりも、常に先行しています。

 

このようなとき、われわれ一般投資家は、報道をなるべくタイムリーに見て、買うか売るかを決めます。

しかし、もしそのときに、トランプリスクの報道を見て、売りを入れても、もう市場の売りは出尽くしており、プラス損益にはならない。

 

賢明なる投資家は、次の一手として、また有利な取得位置であるかどうかを考えて、試しに買ってみたりします。

つまり、大衆が認知する半歩手前で、大きな買いをいれて、大衆が市場の価格を上げることを待っている、ということです。

 

彼がこのことに気付いたのは、市場は自分で動かせないと深く理解したときだったらしい。

 

ドル円の為替市場では、1円動かすためにだいたい1兆円の売買が必要だと言われています。

彼はそのことを知ったときに、市場の価格にたいして「上がれ上がれ」とか「下がれ下がれ」と念じることは無意味だと気づきました。

 

そしてまた、市場を動かす投資家の集合を2つに分けて考えるようになったそうです。

つまり、賢明なる投資家が有利な位置で買ったり売ったりしたあと、一般投資家の集合がそのあと追ってはいってきて、賢明なる投資家が利食いすることを引き受けている、ということです。

 

例えば、賢明なる投資家が、半歩手前で、有利な価格で買っておいて、そのあと価格が上がるにつれて一般投資家が入ってきて、賢明なる投資家が売って逃げるのを手伝います。

 

誰も、単体の資本では市場を動かすことはできません。

なぜなら、市場はもっと大きなお金でしか動かすことができないからです。

 

なぜ、賢明なる投資家は存在しているのか?

 

「私たちと同じで、賢明なる投資家にも、市場を動かす力はありません。

それゆえ、賢明なる投資家は、その市場を動かす一般投資家の行動や、一般投資家の行動を決める彼らの心理を逆手にとって、逆利用しているとしか考えられないんですよ」

と彼は言いました。

 

私「それを手法にまとめると、移動平均乖離が限界に達した、とかですかね」

 

「たしかにそうです。

しかし、それだと週単位で変化していくので、使えなくなりますよね」

 

「なので、そういう手法というよりも、賢明なる投資家が有利な取得位置であると特定するメカニズムは何か?

それはつまり、その時点が早すぎず遅すぎない買い場になるんです。

 

暴落したときに、一般投資家が買いの損切りをして、損をして諦めて、売りの追撃もできなくなるとき、早すぎる買いによって、予兆的に急騰フェイクすることもあるでしょう。

 

もちろん、その位置が早すぎれば、買いが不足して、再び下落しますけど。

そのとき、一般投資家はどこまで耐えるかを考えます。

あるポイントをすぎたら、損切りの売りが入り、さらに今度は賢明なる投資家が戻り高値で売ります。

その結果、クライマックスのようにさらに下落します。

 

そして、遅れて一般投資家が売りを入れて追随するとき、賢明なる投資家は早々と利食いしています。

下げ止まりを見て、一般投資家が売りを抜ける。

上に踏みあげられて、売りの追随があった分、さらに急騰する。

 

そのとき、賢明なる投資家は、有利な位置だと判断して、途転の買いを入れる。

そのあと、一般投資家が追随で買いを入れてきたら、その反対側で、賢明なる投資家は利食いを終えている。

 

彼は、そういうことを言っていました。

 

簡単に言えば、賢明なる投資家と一般投資家って、決して出会いがしらで対面しない、ということでしょう。

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一般投資家が拙速で先に出ると、賢明なる投資家が後から出てくる。

賢明なる投資家が半歩手前に出てくると、後から一般投資家がそれを追う。

 

あるときは先手必勝、あるときは後出しじゃんけん、みたいなものだろうか。

 

アキレスと亀みたいな感じですね。

アキレスは亀に一生追いつけない、みたいな。

 

値動きは、常に先端なので、値動きは当然見ないといけないんでしょうが、値動きだけを機械的にテクニカル的に見るだけじゃダメなんだなあと思いました。

 

そうではなく、値動きやチャートの型から、賢明なる投資家と一般投資家の心理を常に逆推することが、キーなのかもしれないと。

 

「難しいですから、今は私もこれ以上言葉では説明できません。

ポイントは、市場を常に2つに分けることです。

それぞれの立場の人たちの心理をパラレル的に同時並行で考えていくことです」

みたいなことを彼は言っていました。

 

彼の話を聞きながら、人を知ること、人間心理を理解することが大事なのかなと私は思いました。

 

「一般投資家は市場を動かすエンジンです。

彼らは全体となって強大なパワーを持ち、市場を歪ませる。

ある意味、この歪みがトレードの機会ともなります」

 

彼によれば、トレードというのは、この一般投資家の動きを逆手にとって、事前、事後の行動をとること、だという。

 

「一般投資家に市場を動かさせて、利益を出すわけです。

だから、どうしても、利用しないと無理なんです」

 

私「私はいつも利用されてるわけですか笑」

 

「賢明なる投資家が、どうやって有利な位置を特定してるのか、その心理を考えることが大切です。

逆張り的な特定の時期が、絶妙なんです」

 

「他方、順張り的には、どんな場合に買われているものをさらに買うのか?

市場がさらに上がると思えば彼らは買いますが、なぜ、さらに上がると思うのか?

伸びる波動を特定することが絶妙なんです」

 

早すぎず、遅すぎないエントリー、なんとも難しい話です。。。